2018年6月11日月曜日

豊洲新市場の千客万来施設について臨時に特別委員会を開催

 豊洲新市場に隣接する千客万来施設について、本日午前11時より村松市場長を始めとする都の理事者が出席して臨時の清掃港湾臨海部対策特別委員会が開催され、私も委員として出席しました。冒頭市場長より5月末から本日に至るまでの経緯について説明があり、これまで江東区議会に対して十分な説明がなかったことについて陳謝がありました。
 6月2日のブログにてご報告したように、5月30日の小池都知事と事業予定者の万葉倶楽部(以下万葉)の高橋会長とのトップ会談で、それまでの事業者撤退~再公募の流れが一転、2020年オリパラ東京大会後の工事着工に向けて両者が協議を続けることが決定したのです。委員会では米沢委員長を除く委員11名からこれまでの経緯、今後の取り組み方について質疑がありましたが、特に急転直下のきっかけとなった小池、高橋会談の中身は僅か数十分の協議で、都から新たな提案はしていない等腑に落ちない点も多く、我々にとってスッキリしない答弁が続きました。また事業者からの2020年東京大会後の工事着工の提案を受けて東京都は・・・
①事業者からの提案を受け、事業スケジュールや諸条件など、事業実施に向けた課題の整理や必要な調整を進めている。
②今後、諸課題の整理や、江東区の理解を得た上で、事業者と最終的な合意を図る。
③あわせて、豊洲市場開場から東京2020大会までの間については、様々な手法により、豊洲市場の賑わい創出に向けた取組みを展開していく。
としています。
 要は平成28年6月に都と万葉が交わした基本協定書の中で、工事着工の時期を2020東京大会後速やかにと修正した上で、引き続き協議を行うといういわば課題を「先送り」したに過ぎない結論だと私は捉えています。同僚委員からも「仮に新たな事業者を公募して作業してもスケジュール感は変わらない筈」との指摘がありました。それでは、何故ここに至って都と万葉が歩み寄ったのか、それは事業者を変更することなく、工事着工を二年先送りしてその間に改めて交渉し直すことが、都、万葉両者にとって利害が一致した結論だったからです。都にしてみれば、万葉との交渉決裂は、同社からの訴訟リスクがあること、また本区から非難を浴びることは必至だったこと。また万葉にとっては、工事費の負担が大きい五輪前の着工を免れること、事業のスタートが遅れても同社にとって大きな不利益には繫がらないこと等が考えられるからです。残念ながらこの間に江東区の事情等は一切考慮に入っておりません。
 私は、委員会質疑の最後に質問し、トップ会談に同席した村松市場長の心情を質した上で、「本来、今年の10月に市場がオープンすることで地元の豊洲は期待感で盛り上がる筈なのに逆にシラケたムードが漂っている。都と本区の間の信頼関係は全く危機的な領域に陥ってしまった。今後、本委員会で協議を続けるには都から市場移転の大前提である三つの約束について文書による説明が不可欠。」と指摘し、「区議会として何らかの意思表示を公にするため、第二回定例会中の決議の準備も進めるべき」との意見を述べさせて頂きました。
 この問題については、引き続き区民の皆様から多くのお声を拝聴し、区長部局とも充分協議して取り組みを続けていきたいと考えております。

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