2017年2月28日火曜日

区議会予算委員会で総括質問

 2月28日からスタートした平成29年度江東区一般会計・特別会計予算を審査する特別委員会で、自民党を代表して総括質問を行いました。その質疑の内容につき以下ご報告させて頂きます。

1.29年度予算の総括的評価について
Q:山﨑区長にとって10回目の予算編成だが、その思いと評価は?
A:オリパラ準備など未だ経験したことのない局面と理解し、2020年大会後も見据えて全力を挙げて編成した。オリパラ準備以外の予算についても最大限の英知を結集した。
Q:今回予算のキャッチコピーは「新たなステージへのチャレンジ予算」とあるが、新たなステージとは具体的に何か?
A:平成32年度から新しい長期計画の段階に入り、また同年のオリパラ開催後を見据えてこれまでの「発展と成長」から「安定と成熟」の段階に入る。職員の意識改革等も含め新たなステージに臨んでいきたい。

2.今後3年間の財政計画と今回の予算編成について
Q:昨年立てた計画より一般財源(主に区税と特別区交付金)が95億円落ち込んでるのは何故か?
A:東京都が法人2税の税収見込みを下方修正したこと、消費税増税が見送られたこと等によるもの。すなわち特別区交付金以外の交付金の見込み額が落ち込んだ。
Q:今回の予算編成から、従来は保留財源としていた一部の交付金を当初から計上したこと、また財調、学校施設改築の基金への積立も明確にしたことは高く評価する。それでは、29年度中に生じた契約差金や不用額はどのように扱うのか?
A:財調、学校施設改築の両基金は計画的に、不用額等については公共施設建設基金に積み立てることを基本としたい。
Q:今回の(仮称:以下略)第二有明小中の建設のため、基金取り崩しは約100億円、区債の発行は5億数千万とかなりの開きがある。低金利の時代、さらに後年度負担を考えると区債発行が少ないのでは?
A:学校建設の国庫補助金が圧縮され、政府債の起債にも限度がある。ただ市場債(銀行債)の活用については今後共検討したい。

3.子育て・教育環境の整備について
(1)保育園の現状と待機児解消策について
Q:今年4月の認可保育園申請者数と前年度との比較は?また新設や定員増によって新規募集枠の定員数は?
A:申請者数は5,238名で前年度比559名の増。定員数は3,115名。
Q:現時点で待機者数の予想は?
A:二次募集等の結果や認可外の状況により未だ予測は出来ないが、昨年の277名を上回る可能性がある。
Q:長期計画では29~31年度の三年間、いずれも千名前後の定員増を計画しているが、その達成見込みは?
A:冬木町、木場公園内等の公有地を利用して最大限努力する。
Q:平成12年の清掃事業の都から区への移管に伴い、深川・城東両清掃事務所の無償譲渡があった。この用地の保育所利用の可能性は?
A:都の緊急対策もあり、積極的な活用を考えている。

(2)小中一貫校(義務教育学校)について
Q:区は第二有明小を義務教育学校として開校することを決定しているが、他地区への展開への基本的考え方は?
A:基本的には施設一体型を最優先に考えたい。ただ、分離型でも第二有明の検証も踏まえて、小中教員の交流や異年齢交流も積極的に取り入れたい。
Q:区内には施設が隣接している小中学校がそれぞれ6校存在している。ただ、改築年度等を考慮すると新たな施設一体型校を建設するにはかなりの時間がかかる。そこで改築計画が目前に迫っている二大中を義務教育学校として改築する考えはないか?
A:二大中は平成30,31で設計、32,33で建設を予定している。一方、第二有明の検証は平成30年から。タイミング的に難しいと考える。
Q:この提案のメリットは
①二大中の改築に合わせ二大小の改築が前倒しで出来る。当然コストダウンも図れる。
②二大小の改築の際の仮校舎の必要性がなくなる。
③二大小の狭隘のデメリットが解消される。
④二大小の跡地が公有地として活用可能となる。
一挙に義務教育学校の形を取らずとも段階的な移行として検討すべきでは?
A:規模的な課題、また四大小との関係も考慮すれば実現は厳しいと考える。

最後に、この小中一貫教育については区内それぞれの地域、学校の特性、何より地元の考え方等を充分検討して進めるべきと要望し、質問を終わりました。

2017年2月9日木曜日

豊洲市場の土壌汚染問題を審議する特別委員会を開催

 2月8日午後3時より豊洲市場の土壌汚染問題を審議する江東区議会清掃港湾臨海部対策特別委員会が開催され、私は委員長として臨みました。
既にマスコミ等で報道されている豊洲市場における土壌汚染対策等に関する第4回専門家会議について東京都の市場関係者から報告を受けました。その内容を概要で紹介すると。
1.これまでの評価状況のまとめ
 昨年9月に明らかになった、豊洲市場の地下に盛り土を実施せずに地下ピットを作った問題について、地下ピットがある状態におけるリスクについては
地下水経由のリスク、汚染土壌の直接摂取(摂食、皮膚接触)によるリスク、室内空気経由のリスク共に問題は生じないとの専門家会議の結論が改めて報告されました。
2.第9回地下水モニタリング調査結果(暫定値)について
 既に公表されているように、第8回までの調査と著しく異なる結果(201か所の測定地点のうち、72か所で基準超過との結果)となっているため、現在、データの調査方法等についての確認をしている。
また、専門家会議での議論について
①今回の測定結果は、これまでと大きく異なる結果であり、説明できない大きなかい離がある。現時点で、この結果を評価することは出来ない。
②今回の調査内容等の確認や再調査が必要であり、採水、前処理、測定といった調査の一連の過程に、専門家会議がきちんと関与していく必要がある。
③再調査は、測定箇所を絞った上で、調査頻度を一か月に一度程度まで上げて行う。検証には少し時間が必要である。
④測定結果のクロスチェックをするため、専門家会議が指定する機関、民間の分析機関、都環境科学研究所で分析を行う。
これらが報告された上で、現在専門家会議の関与の下、今回の調査内容についての確認作業や再調査を進めているというものです。
さらに地下水モニタリングの再調査の実施について、濃度の高いところなどを中心に、29か所の測定地点を選定し、1月29日から再調査を開始したとの報告がありました。この再調査の分析は複数者(都環境科学研究所など4者)で行うとのことです。
また、専門家会議が指示した調査結果について、①地下水ピットの排水、②地下ピット内の空気測定(水銀)、③補助315号線高架橋下の空気の測定について報告がありました。

これらの報告を受けて各委員から次のような質疑がありました。
Q:そもそも豊洲移転を決めたのは、以前から築地市場の老朽化や衛生上の問題から。移転そのものが当分先となると、現在の築地の安全性を検証する必要があり、空気中の汚染状況や地下水などの調査を行うべきでないか。
A:築地の安全性を示すことは重要であるが、当面調査等は困難と考えている。
Q:再調査は29か所としているが、従来通り201か所全てで実施すべきではないのか。
A:専門家会議の提言もあり濃度の高いところを中心に29か所を頻度を高めて実施したい。
私からは、第9回の調査は、1~8回調査と異なる民間企業が実施したが、この企業を選定した入札結果を見ると、他の企業との金額差が極端にかい離している。この事実をどう受け止めているのかと質したのに対して、都からは、受託事業の入札に最低制限価格は設けておらず、入札参加者も一定の要件を備えた企業であるので決定したとの答弁がありました。
全体的に委員会としては、盛り土問題から生じた都への不信感を拭えておらず、再調査の結果等を待ってさらに審議を重ねていく必要性を感じています。
委員会開催当日の午前中から、都議会の特別委員会が、石原元都知事や濱渦元副知事の参考人招致を決めたとのニュースが再三報じられていましたが、移転の経緯については都議会の方で十分検証してもらうこととして、本委員会では引き続き都に対して豊洲市場の安全性をどのように担保していくのか厳しくチェックしていきたいと考えます。
委員会の最後に私から山﨑区長に発言を求めましたが、「豊洲全体の風評被害が続いていること、市場に隣接したぐるり公園が未だに開園できないことなど極めて遺憾な状況であり、今後とも都のスピーディな対応を強く求める」との表明があり閉会しました。

 私は当委員会の開催前に、都議会の特別委員会を傍聴したり、4時間半に及んだ第4回の専門家会議の審議状況全てを把握した上で委員会に臨みました。また、移転問題の当初から清掃港湾の委員として議論に携わった経験から、今回の状況には大変失望しています。都のこれまでのずさんな対応は大きな問題でありますが、昨年7月に小池百合子氏が都知事に就任して以来、環境面のリスクを指摘して移転延期を決断したのは評価しております。しかし、マスコミ等の報道を見るとあまりにこの移転問題が政争の具に使われているという印象が拭いきれません。冷静に専門家会議の議論や多くの有識者の意見を聞いて、速やかに豊洲市場の安全、安心を担保する作業に集中すべきと考えます。それが移転延期で苦難に直面している市場関係者の皆さんを一刻も早く救済すること、また多くの市場利用者、都民の信用を取り戻すことに繋がるのではないでしょうか。
 委員会に出席した都の理事者によれば、再調査の結果は3月にも公表されるとのことであり、引き続き専門家会議、都の特別委員会が開催される見通しですが、当委員会も年に4回の定例会会期外であっても、この動きに連動して迅速に対応していく所存です。

以上、大変長い報告となりましたが、皆様のご意見もぜひお寄せ頂きたいと思っております。