2017年8月3日木曜日

中央防波堤埋立地の帰属問題に関しヒアリングを受ける。

 昨日午前9時より東京都庁に於いて、本区と大田区の間で論争が続いている中央防波堤埋立地の帰属問題に関し、都が選出した3名の自治紛争処理委員から山﨑区長、私、大井副区長、押田政策経営部長ら江東区の行政、議会代表者がヒアリングを受けました。ちょうど1時間30分にわたり本区の主張を述べると同時に、処理委員の先生方からの質疑に回答して参りましたので以下ご報告させて頂きます。
 まず、今回の処理委員は以下3名の方々です。
○泉 徳治氏(代表委員)
弁護士、昭和58年、最高裁判所調査官として、筑波山頂境界確定請求事件を担当。
平成14年から21年まで最高裁判所判事。
○佐瀬 正俊氏
弁護士、平成22年、総務省自治紛争処理委員として、佐賀・長崎県における海砂採取区域境界確定事件を担当。
○木村 俊介氏
明治大学公共政策大学院・ガバナンス研究科教授。現在八王子市立地適正化計画懇談会委員

 まず、山﨑区長、そして区議会議長としての立場の私からそれぞれ本件に関する江東区の主張を述べさせて頂きました。区長からは特に昭和40年~50年代に清掃車の往来で一区民として悪臭・汚汁やハエの発生等に悩まされたこと、調停申請までの経緯、さらに本区に帰属すべきとの論拠につき発言がありました。この論拠としては大きく3点あり、
①埋立地造成に係る歴史的沿革、②行政上の便益、③将来的な土地利用を挙げました。
①については、言うまでもなく本区の13号地(現在の青海)、夢の島、若洲そして中防はゴミの埋め立てにより造成されたが、多くの清掃車が区内を走行して区民の生活環境は悲惨を極め、まさにその犠牲の上にあったこと。また②に関しては、既に昭和40年代後半には中防に向かう本区青海からの橋(のちに第二航路トンネル)が架かり、埋立地に係る東京都との行政実務は既に50年にわたり本区が担っていること(大田区側からは平成14年に初めて城南島から海底トンネルで繋がった)。③については、3年後のオリ・パラ東京大会の競技会場も含め、本区の南部地域と当該埋立地が都民のスポーツ・レジャー拠点や憩いの場として整備する構想を示しました。
さらに大田区が帰属の論拠としている海苔の養殖場に関する反論として、ご自身のご両親が海苔の養殖場を営んできた経験から、現在の中防一帯での養殖に関して疑問を呈する発言がありました。
 次に私からは、平成3年の初当選以来、中防のゴミ埋立地の延命化に関して先輩・同僚議員と共に最重要課題として真摯に取り組んできたこと。中防内側には既に数々の廃棄物に関する施設が整備されているが、当該施設に関する行政協議はこれまで本区のみが担ってきていること(例:PCB処理施設)。さらに将来の利活用については、本区の有明コロシアム、辰巳国際水泳場、夢の島陸上競技場、体育館、若洲海浜公園・ゴルフリンクス更には新設される五輪関連会場を例に挙げ、ゲートブリッジで繋がる中防にある海の森を始めとする地域の将来像について持論を展開させて頂きました。また、私の趣味の一つである海釣りでの経験(神奈川県伊勢町海岸における海苔の養殖の実態)から、大田区の海苔養殖場を根拠とする主張に反論を加えました。
 以上挙げた以外にも、詳細にわたり根拠を示し、本区の帰属を主張させて頂きました。調停は恐らく本年10月中旬にも示されると思いますが、処理委員の皆様の公平かつ合理的なご判断を期待しております。
 また、多くの皆様から本件に関するご意見、ご質問など頂戴したいと考えておりますので宜しくお願い申し上げます。


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